ごあいさつ

 第17回肝細胞研究会は,平成22年(2010年)6月18日(金),19日(土)の2日間にわたり秋田アトリオン(秋田市中通2丁目3−8)において開催する予定で準備を進めております.

 本研究会は「初代培養肝細胞研究会」以来の伝統を有する研究会ですが,現在では肝実質細胞以外の肝構成細胞も含め,広く肝臓の構造機能や病態について研究している基礎および臨床研究者の研究発表,情報交換の場となっております.肝は成体における代謝中枢臓器として極めて多彩な機能を営んでいることはよく知られていますが,その全容や他臓器との相互作用についてはまだ不明の点も多く残されています.さらに肝は,その精緻な組織構築,高度の再生能力,肝硬変のような特異な病態形成,最近では幹細胞を用いた新しい病態治療法の開発,バイオ人工肝の開発など,肝に特化した魅力に富む研究領域が存在し,多くの研究者を惹きつけている臓器であります.

 本研究会の特徴として,肝研究をリードする先端的・独創的発表が多いこと,活発な討論が行われること,若手研究者の発表が多いことなどが挙げられますが,なによりも基礎研究から臨床研究まで幅広い発表が行われるにも関わらず,相互の情報交換が密であることが大きな特徴であると思っております.肝を軸に基礎研究から応用までコンパクトにまとまり,活発な議論が展開される点では他に類をみない研究会であります.秋田で開催する第17回肝細胞研究会におきましてもこのような特徴が十分に生かされ,会員および参加者の皆様のさらなる研究進展に貢献できるような企画・プログラムを考えて参りたいと思っております.

 多くの先生方のご参加と演題発表を心よりお待ちしております.